【第1回ミルエル会員アンケート】Vol.3 医療従事者とのコミュニケーション

皆さまにご協力いただきましたミルエル会員アンケート、Vol.3では「医療従事者とのコミュニケーション」を取り上げたいと思います。アンケートの回答と個別インタビューに同意くださった方のコメントをご紹介します。

加齢黄斑変性に限らず、病気になったときに、信頼できる医療従事者に相談できると心強いものです。アンケートでは、「普段の生活の様子を伝え、どうすれば目に少しでも負担をかけることなく過ごせるのかなど尋ねるようにしている」「いろいろな治療法について尋ねている」など、積極的にコミュニケーションをとっているという回答が多く寄せられました。

症状をきちんと伝える

診察では、自分の状態をきちんと伝えることが適切な治療につながります。今回のアンケートでは、診察時に医療従事者とのコミュニケーションで工夫されている点をお聞きしたのですが、「自分なりの小さな所見を見逃さずに、診察の時に主治医に伝えて次の注射の時期の参考にしていただいています」「症状の具合と生活面で感じたこととともに、実感が出て来た老眼の状況も一緒に伝えています」「できるだけ詳しく症状を話している」などの回答が複数寄せられました。多くの方が日々の症状を詳しく丁寧に伝えるよう心掛けていらっしゃるようです。

日頃から記録を付けておく

特に多かったのが、「正確な目の調子を伝えるために、記録をつけている」「日常に変化があったことを伝え漏れがないようメモしている」「目の調子をわかってもらえるように、記録や簡単な日誌をつけて、医師に見せる」など、記録を付けて医師に伝えるという回答でした。
個別インタビューに答えて下さったAさんも、ご自身の記録を見ながらお話しくださいました。

受診した日と治療内容のほか、日々の症状や見え方などを自分のスマホに記録しています。簡単なメモですが、見れば数か月前のことでも思い出せるので、経過がよくわかります。ちょっとした違和感なども忘れずに先生に伝えられています。

(60代 治療歴5年)

「医師との相談記録のノートを作成している」「治療がうまくいった場合だけでなく、うまくいかなかった場合についても、その後の状態を細かく確認する」という声も寄せられました。日頃から記録をつけておくのは、医療従事者とのコミュニケーションをスムーズにするだけでなく、自身の状態や治療が効いているかどうかなどを把握するという面でもとても効果的です。紙、スマートフォンなど、自分に合ったツールを探してみてはいかがでしょうか。

不安や希望などの気持ちを伝えることも大切

症状を報告するほか、「治療への恐怖心を伝えている」「不安に思っていること(視界に急に大きな浮遊物が現れた、など)を、率直に相談しています」「自分の希望(したいこと、したくないこと)を伝える」など、治療への不安や希望を伝えるという回答も複数ありました。 患者さんが何を不安に思っているか、何を望んでいるかという情報は、医療従事者にとってとても貴重なものです。患者さんの気持ちを聞いて治療方針を立てるという医師も多く存在します。治療費のこと、仕事のことなども含め、正直に伝えてみましょう。

そうはいっても、遠慮してしまう気持ちもある

ただ、診察という普段とは違う雰囲気で緊張しがちなところへ、病院が混んでいたりすると、遠慮してしまったり、なかなかうまく話せないということもあるでしょう。「医療従事者とのコミュニケーションが取りづらい。専門用語も分からず、これから改善するのか聞きにくい」「混んでいるのに医師がひとりで、ちょっと質問をしにくい雰囲気です」という回答に共感される読者の方も多いのではないでしょうか。

短い時間で伝えたいことを伝えるための工夫

一方で、「いくら混んでいても、今この診察は私だけの数分だと思っているので、聞きたいこと、疑問などは前もってメモや録音をしています」「質問を紙に書いて胸ポケットに入れています」「メモに書き留めた上で診察に臨む」など、短い時間で伝えたいことが伝えられるよう、事前に準備をしているという回答も複数ありました。「気になることは聞くようにしている。また、時には家族にも付き添ってもらって受診している」という回答もありました。
診察や治療となると患者さんはどうしても受け身になりがちですが、自分にとってベストな治療、納得できる治療を受けるためには、できる工夫をして、伝えたいことを伝えてみましょう。

基本は人と人とのコミュニケーション

最後に、今回インタビューに答えてくださったAさんのお話をご紹介します。

最初に症状が出たときには近所の眼科を受診しました。加齢黄斑変性らしいということで紹介状を書いていただいて、今は大学病院で治療を受けています。信頼できる先生のもとで注射の治療を受けることができているのはご紹介のおかげです。
紹介していただいた先生には、御礼の気持ちとともに、今こういう治療を受けていますということを手紙に書いてご報告しました。

(60代 治療歴5年)

医療従事者とのコミュニケーションというと構えてしまいがちですが、実は、特別なことはそれほどないのかもしれません。相手の話を聞く、必要に応じて自分の気持ちを伝え、わからないことは質問する、御礼の気持ちを伝えるなど、人と人とのコミュニケーションで大切なことを実践していくことが一番大切なように思います。

今回のアンケートとインタビューから見えてきたヒント

  • ・症状をしっかり伝えるために、日頃から記録をつけておく
  • ・不安や心配など、心のうちも伝えてよい
  • ・聞きたいことが聞けるように工夫する(質問したいことをメモする、第三者に付き添ってもらうなど)
  • ・基本は人と人とのコミュニケーション

アンケートやインタビューにお答えくださった皆さまの声が、医療従事者とのコミュニケーションで悩まれている方のご参考となりますと幸いです。

あなたの体験談も、ほかの会員の方の参考になるかもしれません。「体験談を投稿」フォームより投稿いただくか、お問い合わせフォームより「インタビュー協力可能」とご連絡いただけますと幸いです。ご投稿お待ちしております!

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