【第1回ミルエル会員アンケート】Vol.4治療を継続するためのヒント

今年5月に行った会員アンケートには、たくさんの方にご協力をいただきました。会員アンケートの調査結果としてVol.4でご紹介するのは、「治療を継続するためのヒント」です。

今回のアンケートで現在の治療状況をお聞きしたところ、治療中(経過観察を含む)という方が44%と多かった一方で、「(病状が)気になりつつも、定期的な検査や治療はしていない」という回答も22%に上りました(注:その他の34%は、「家族や知人が加齢黄斑性で、ご自身は治療や検査を受けたことはない」というものです)。

定期的な検査や治療を受けていない原因としては、「医療者の判断」という回答が40%近くを占めました。一方で、「多忙なため」「効果を感じられないため」「治療費が高価なため」という回答も一定数ありました。

加齢黄斑変性では、自己判断で通院を止めてしまわないことが大切です。今回は、通院を継続されている方のご意見から、治療継続の励みやモチベーションの維持について探っていきます。

治療効果が実感できると励みになる

治療中の方に、通院や治療の励みとなっているものをお聞きしたところ、「文字のゆがみが取れてきたなどの効果が実感できる」というように、効果を感じられることが励みになっているという声を複数いただきました。

実はあまり自分では効果を実感していなかったのですが、検査結果では改善していると言われました。その後、医師の判断で、投与間隔を短縮して注射を行った後に、自分でも実感するほど効果を得ることができました。最初は、こんなに短い間隔で注射をするのかと戸惑いましたが、その結果、良好な視力が得られているので、判断をお任せしてよかったと思っています。

Aさん(60代 治療歴6年)

悪化させたくないという気持ち

治療の効果というのは、今の状態より良くなることだけではありません。治療によって現在の状態を維持できたり、悪化を予防できたりするのであれば、それもひとつの効果です。アンケートでは、「失明したらいやだから」「定期的な通院をすることで精神的な不安の軽減につながる」「とにかく定期検査をして、異常があったらすぐ見つけてもらおうと思っている」など、治療による悪化予防の効果を期待して治療に通っているという声も多くありました。
「これからも読書やスポーツを楽しみたい」「絵画鑑賞、映画鑑賞が好きだから」「仕事を続けたい」「趣味のヨガを続けたいのでがんばっている」など、好きなことを続けて生活を楽しみたいという思いも治療に向かう大きな原動力になるようです。

通院自体を楽しみのきっかけに変える

「(通院の日には)お気に入りの店で昼食をとることを決めている」「フランスパンやお菓子を購入して帰る」など、通院の後の食事や買い物を治療の励みに挙げている方もいらっしゃいました。通院というと気が進まない方も多いかと思いますが、どうせ通うのならばその機会を楽しみのきっかけに変えてしまうのも治療継続のコツかもしれません。「病院への道のりを散策する」「定期的な外出が気分転換になる」という方、「これが終わったら大好きな映画を観られると思って通っている」「通院後に自分をほめている」「温泉旅をご褒美にする」など、通院後に自分をねぎらっているという方もおられました。

人とのつながりが励みになる

「孫の顔が見たいから」「家族の笑顔」など、人との交流が励みになるという回答も複数寄せられました。また、同じ病気の方のブログなどの体験談が支えになっているという方もいらっしゃいました。個別インタビューにお応えくださったBさんは、患者会の活動にも積極的に参加されています。

私自身、診断された直後は、2週間ほど引きこもって何もできませんでした。その経験から、同じ病気の患者さんに対して自分ができることはないかなと考えるようになり、患者会での情報交換や相談にも参加しています。

Bさん(50代、治療歴5年)

不安はあるけれども、神経質になりすぎないようにする

治療を継続している方の中にも「進行が怖いので続けるしかないと思っている」「効果がまだ実感できておらず不安である」など、不安な気持ちを抱えながら通院しているという方が多くおられました。「あまり悲観的にならないようにしている」という回答もいただきました。

通院は欠かさずしていますが、あまり神経質にならずに生活するようにしています。病気について気にしすぎても、それで治るものでもないですから。年齢が高くなれば、皆、病気の一つや二つはあるもので、自分だけではないと思えば気が楽です。今も友人や家族と旅行や食事、おしゃべりを楽しんでいます。

Cさん(70代 治療歴2年)

今回のアンケートとインタビューから見えてきたヒント

  • ・悪化の予防のために治療を継続する
  • ・通院の機会を楽しみに変える
  • ・不安にはなっても、気にしすぎないよう努める

治療をしたほうがいいとわかってはいても、なかなか前向きになれないときもあると思います。そのようなときに、今回のアンケートやインタビューにお答えくださった皆さまの声がご参考となりますと幸いです。

あなたの体験談も、ほかの会員の方の参考になるかもしれません。「体験談を投稿」フォームより投稿いただくか、お問い合わせフォームより「インタビュー協力可能」とご連絡いただけますと幸いです。ご投稿お待ちしております!

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