加齢黄斑変性の症状、「アムスラーチャート」で定期的なセルフチェックを

加齢黄斑変性に特徴的な症状として、視野の中心のゆがみやぼやけ、欠けなどがあります。ピアノの鍵盤やパソコン画面の外枠がゆがんで見えるようになったなどで気づくこともありますが、初期のうちは症状に気づきにくいこともあります。視野のゆがみを自分でチェックできる、「アムスラーチャート」をご紹介します。

アムスラーチャートで視野のゆがみを自分でチェック

<アムスラーチャートの使い方>

  • アムスラーチャートを目から30cmくらい離します。
    ※眼鏡やコンタクトレンズを装用してチェックします。
  • 片方の目を隠し、もう片方の目で、中心の黒い点を見つめます。その状態で格子の見え方に違和感がないかを確認します。
  • アムスラーチャートから目を離し、少し目を休ませてから、反対側の目も同様にチェックします。
アムスラーチャート1

こんな症状はありませんか?
中心部分の線がゆがんで見える

アムスラーチャート2

中心が暗かったり、ぼやけていたりして見えない

アムスラーチャート3

中心付近に欠けて見える部分がある

アムスラーチャート4

<右目>

✔ 中心部分の線がゆがんで見える
✔ 中心が暗かったり、ぼやけていたりして見えない
✔ 中心付近に欠けて見える部分がある

<左目>

✔ 中心部分の線がゆがんで見える
✔ 中心が暗かったり、ぼやけていたりして見えない
✔ 中心付近に欠けて見える部分がある

アムスラーチャートのPDFはこちらからダウンロードできます。スマホの待ち受けにしたり、見えるところに貼ったりして日々チェックするようにしましょう。

見逃さないで!症状の変化

網膜の中心にある黄斑がダメージを受けると、視野の中心のゆがみやぼやけ、欠けといった加齢黄斑変性の症状が起きます。

症状が進行すると、視力が低下して日常生活に支障が出てきます。進行を防ぐためには、症状の変化を日ごろから見逃さないことが大切です。

普段の生活では、ゆがみに気づかないことも多い

「ミルエル」の「体験談」には、受診のきっかけとして「ハンガーに服が思うようにかけられなかったことで目の違和感に気づいた」「階段がゆがんで見えた」などで症状に気がつき、病院に行ったところ加齢黄斑変性だと診断されたという声が寄せられています。

しかし、ふだんの生活で両目を使っている状態では、気づきにくいことも多くあります。加齢黄斑変性は、多くの場合、片方の目から起こります。片方の目が見えづらくても、特に軽症のうちはもう片方の目が視野や視力をカバーしてしまいます。早期発見のためには、あえて片方の目だけで見て、異常がないかを日ごろからチェックすることが必要です。

定期的なセルフチェックと受診が大切

今回は異常がなかったとしても、発症や再発のサインを見逃さないようにするために、1か月に2回程度はアムスラーチャートで視野のゆがみを確認することをお勧めします。ゆがんで見える、中心が見えない、欠けて見える、ぼやけるなど、見え方に違和感があるときや、見えづらさを感じたときは、すみやかに眼科を受診しましょう。

また、アムスラーチャートはセルフチェックには有効なツールですが、あくまで診断の補助として使う簡易的なものです。特に、すでに加齢黄斑変性と診断されている方の場合は、自己判断で治療を中止しないことが大切です。セルフチェックで異常が感じられなくても、今後も定期的に受診してください。

ミルエルには、セルフチェックの結果を記録できる「調子の記録」機能があります。ご自身の状態の経時記録に、そして、受診時の医師とのコミュニケーションツールにぜひご活用ください。

無料会員登録をすると
以下の機能をご利用いただけます

  • 通院の記録と調子の記録
  • 質問と回答の閲覧・投稿
  • 体験談の閲覧・投稿

質問・体験談でほかの患者さんと情報交換できる!
登録はかんたん!2ステップ。1分で完了します。

その他の記事

視覚障害がある方向けのスマホ活用ガイド アクセシビリティ機能...

注射の恐怖を乗り越えるには

【ミルエル患者座談会】後編 注射治療の感想と医師・医療者との...