目の加齢「アイフレイル」を理解して目の健康寿命を延ばそう

提供:ノバルティス ファーマ株式会社

加齢に伴い、身体や目の機能はどうしても衰えていきます。でも、それを「仕方がない」とあきらめるか、できる限りの対策をとるかによって、健康寿命は大きく変わってきます。今回は、そのためのヒントになる「アイフレイル」の概念についてお伝えします。

フレイルとは1)

フレイルとは「年齢を重ねて心身が弱る状態」のことで、健康と要介護状態との中間の段階として位置づけられています1)。

「フレイル」は、海外の老年医学の分野で使われていた「虚弱」や「老衰」などと訳されることが多かったFrailtyという言葉がもとになっています。早期に発見して適切な介入をすれば進行を遅らせたり、機能を回復させたりすることが期待できるということを強調するために、マイナスのイメージを伴う「虚弱」や「老衰」ではなく、「フレイル」という言葉を使うことが、日本老年医学会より提唱されました1,2)。つまり、フレイルとは、「可逆」の可能性が残された段階なのです。

図1 フレイルの概念図 図1 フレイルの概念図1, 3)
出典:日本眼科啓発会議 アイフレイル啓発公式サイト/アイフレイル・ガイドブック

アイフレイルとは1, 3)

近年、眼科の領域においても、日本眼科啓発会議が中心となって「アイフレイル」の概念が提唱されました。アイフレイルとは「加齢による目の衰え」のこと。もう少し詳しくいうと、「加齢に伴って眼の脆弱性が増加することに、様々な外的・内的要因が加わることによって視機能が低下した状態、また、そのリスクが高い状態」と定義されています。特定の疾患を指すのではなく、広い範囲の視機能の低下も含む概念です。

図2 アイフレイルの概念図 図2 アイフレイルの概念図1, 3)
出典:日本眼科啓発会議 アイフレイル啓発公式サイト/アイフレイル・ガイドブック

加齢とともに、眼球は構造的にも機能的にも様々な面で衰えてきます。その状態に何らかのストレスが加わることで視機能の低下が引き起こされます。最初は無症状であることも多いのですが、ときに見えにくさや不快感として自覚することもあるでしょう。その状態を放置していると、さらに衰えが進み、見え方の低下を常に自覚するようになります。視機能が低下すれば、日常生活での制限も大きくなり、自立機能が低下することで、健康寿命の短縮につながってしまうのです。

アイフレイルの段階で対策をとることが健康寿命の延長につながります1, 3)

ここで大切なのは、アイフレイルは、フレイルと同様に「可逆」、つまり、進行を遅らせ、症状を緩和させることが可能な状態であるということです。視機能の低下が進行して重度な障害に陥ると回復は難しくなるので、アイフレイルの段階で対策をとることが大切です。
⾒えにくさや不快感を「歳のせい」として片づけてしまわず、自分自身の見る力を振り返る機会ととらえ、適切なケアを行うことで、目の健康寿命を延ばすことができます。そうすれば、見えにくいことによって日常生活が制限されることがなくなり、自立機能を維持したまま、読書、運転、スポーツ、趣味などを楽しみながら、快適な日常生活を送ることが可能になります。眼の健康寿命を延ばすことは、要介護状態に陥らずに健康寿命を延ばすことにつながるのです。

アイフレイル早期発見のために、まずははセルフチェックから

アイフレイルの対策においては、早期発見が重要です。日本眼科啓発会議では、アイフレイルのセルフチェックリストを紹介しています4)。

図3 アイフレイルチェック 図3 アイフレイルチェック4)
出典:日本眼科啓発会議 アイフレイル啓発公式サイト

2つ以上の項目があてはまる場合は、アイフレイルの可能性があります。一度、眼科医に相談されることをお勧めします。

特に注意したい目の疾患

アイフレイルの原因となる状態は広範囲にわたりますが、特に、加齢に伴い発症リスクがあがる緑内障、白内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などには注意が必要です。日本眼科啓発会議では自身の眼の状況をチェックするツールを紹介しています4)。

⇒ ツールを使ったチェックはこちら5)

(外部サイトに移動します)

40歳をすぎたら眼科医の検診を

ただし、セルフチェックはあくまで簡易的なもので、正確な診断ができるわけではありません。
眼科ではこうした病気を見つけるために、視力検査、眼底検査、眼圧検査、視野検査などさまざまな検査を行います。いずれも、痛みを伴うものではなく、自覚症状のない疾患を発見できる重要な検査です。40歳をすぎたら一度、眼科医による目の検査を受けてみることをお勧めします。

  • 日本眼科啓発会議:アイフレイル啓発公式サイト https://www.eye-frail.jp/[2023年3月13日アクセス]
  • 日本老年医学会:フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント
    https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/info/topics/pdf/20140513_01_01.pdf[2023年3月13日アクセス]
  • 日本眼科啓発会議:アイフレイル・ガイドブック
    https://www.eye-frail.jp/wp-content/uploads/2021/09/eye-frail_guidebook2022.pdf[2023年3月13日アクセス]
  • 日本眼科啓発会議:アイフレイルチェックリスト
    https://www.eye-frail.jp/checklist/[2023年3月13日アクセス]
  • 日本眼科啓発会議:アイフレイルチェックリスト-点検しよう
    https://www.eye-frail.jp/checklist/tenken/[2023年3月20日アクセス]
  • 日本眼科啓発会議:アイフレイルアドバイスドクター
    https://www.eye-frail.jp/advice-doctor-list/[2023年3月20日アクセス]

無料会員登録をすると
以下の機能をご利用いただけます

  • 通院の記録と調子の記録
  • 質問と回答の閲覧・投稿
  • 体験談の閲覧・投稿

質問・体験談でほかの患者さんと情報交換できる!
登録はかんたん!2ステップ。1分で完了します。

その他の記事

注射の恐怖を乗り越えるには

眼の手術を不安に感じる患者さんへのアドバイス ~信頼関係が不...

知って安心、失敗しない目薬のさしかた ~しっかり目を治療する...