眼科の受診の流れと医療スタッフの連携

提供:ノバルティス ファーマ株式会社

加齢黄斑変性の患者さんは、治療や経過観察のために定期的に眼科を受診することになります。
ここでは、一般的な眼科クリニックでの受診の流れと、そこで働く医療スタッフの職種や役割、連携についてご紹介します。

眼科受診の流れ

まずは一般的な眼科クリニックでの受診の流れをご紹介します(医療機関によって多少異なります)。

① 受付~問診票の記入

保険証や診察券、お持ちの場合は紹介状、高額療養費制度の限度額適用認定証を提出します。

初めて受診する場合(初診)は、受付で問診票を渡されることが一般的です。医師は病気の診断や治療方針を決めるために問診票を参考にします。
いざ診察となると、緊張してうまく話せなかったり、あるいは聞きたいことがありすぎて何から聞いたらわからなくなることもあったりします。診察時に聞きたいことや気になる症状を事前に整理してきた場合は、こちらに記入しておきましょう。

手元が見にくく、決まった場所に書き込むのが難しい場合は、遠慮せずに受付に申し出ましょう。

ここで登場するのは…

医療事務スタッフ
医療事務スタッフ

医療事務スタッフは、対面での受付対応だけでなく、電話対応、医療費の計算、カルテの管理、他のスタッフのサポートなど、幅広い事務の仕事を担当しています。


② 一般的な目の検査

医師の診察の前に、たいてい一般的な目の検査を行います。これは病気の種類によらず行うことが多いものです。検査機器を使い、他覚的・自覚的な視力や、眼圧などを調べます。
前回の受診時から、視力や見え方に変化はないか、病気のない方の目にも異常が起きていないか、薬の副作用などが出ていないかなど目の全体像をチェックするために毎回検査します。また、症状が片方だけでも、必ず両方の目を確認します。
多くの場合、視能訓練士や看護師などがこれらの検査を担当します。

ここで登場するのは…

視能訓練士
視能訓練士

視機能検査だけでなく、視能矯正、健診、ロービジョンケア(見えにくさを補うための工夫やアドバイス)のエキスパートで1)、国家資格が必要です。医師や他の医療関係者と連携し、適正な医療提供の一翼を担っています。
日本視能訓練士協会のwebサイト2)では、会員の勤務する施設を都道府県から探すことが可能です。


看護師
看護師

診療の補助や患者さんのお世話(ケア)を行うプロフェッショナルです。
眼科で働いている看護師は、眼科診療について勉強し、詳しい知識を得ています。視能訓練士や眼科検査員がいない場合は、看護師が眼科検査を担当します。また、検査のための注射や点滴の準備や、目の手術をする際のサポートに入ったりします。


③ 診察(問診、専門的な検査、治療)

次に、問診票や一般的な目の検査の結果を踏まえて、眼科医による診察が行われます。問診票で書いたことについて詳しく聞かれる場合もあります。その後必要に応じてより専門的な検査や治療を行います。

今後の治療計画や次回の受診日について説明がある場合もあります。
診察中は部屋が暗かったり、視界がまぶしくなる薬を使ったりすることもあります。
視界が悪くなっているときは物にぶつかったり、転倒したりしないよう慌てずに移動し、必要な場合は周囲にサポートをお願いしてください。

ここで登場するのは…

医師
医師

実は、医師であれば誰でも眼科を標榜することは可能です。ですが、加齢黄斑変性の場合は、できるだけ眼科専門医に診てもらうのが安心でしょう。
眼科専門医になるには医師免許を取得してから、研修医として臨床研修を2年、眼科専攻医として眼科研修を4年受けます。そして認定試験をパスすることで、眼科に関する知識と技術が規定の水準に達したことが認められます3)。また、眼科専門医の資格を維持するためには、5年ごとの更新が必要です4)


④ 会計・お薬の受け取り・次回の予約

診察が終わると、行われた検査や診察などをもとに医療事務スタッフが医療費を計算し、そのうえで条件に応じた負担額を計算します。負担額を支払ったあと、領収書は必ずとっておくようにしましょう。医療費の控除などの際に必要です。お薬や、処方せんが出る場合もあります。必要な場合は次回の予約をとり、終了です。
もし医師に聞きそびれたこと、言えなかったこと、不安な点、相談したいことがあったら、帰るまでに医療スタッフに声がけし、聞いておきましょう。

ここで登場するのは…

医療事務スタッフ
医療事務スタッフ

患者さんもチームの一員に

このように、眼科診療はさまざまな専門を持つ眼科スタッフ全員が連携しチームとして活動することで良い医療を提供しています。
さらに患者さん自身もチームの一員となって、協力関係を築くことが大切です。「こんなことを聞いてもいいのだろうか」と思いとどまらず、疑問や心配がある場合は抱え込まず聞いてください。それによって必要なサポートがわかることもあります。

加齢黄斑変性があっても、生活の質をなるべく下げずに暮らしていけるように、治療を前向きに進めていきましょう。

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