提供:ノバルティス ファーマ株式会社
「アクセシビリティ(accessibility)」という言葉を知っていますか?
アクセシビリティとは「(高齢者・障害者を含む)利用者が、機器・サービスを円滑に利用できること」という場合に使われています1)。
近年は、スマートフォンの普及に伴い、モバイル端末におけるアクセシビリティの重要性が高まってきました。単に機能を追加するだけでなく、タッチスクリーンやジェスチャー操作を考慮した設計が求められています。 また、音声アシスタントの進化により、視覚に頼らないウェブナビゲーションが可能になってきています。
本記事では、iPhoneとAndroidそれぞれで利用可能な、ロービジョン向けアクセシビリティ機能についてご紹介します。
iPhoneのロービジョン向けアクセシビリティ機能
読み上げ機能
iPhoneの基本的なOS(iOS)には、「VoiceOver」という読み上げ機能が搭載されています。画面上の要素を音声で説明し、ジェスチャーを使って操作することができます。
主な特徴:
- 画面上のテキスト、アイコン、ボタンなどの読み上げ
● バッテリーの残量や、電話をかけてきた相手、指先が触れているアプリについてなど声で説明してくれます。
● 指で触れているキーボードの文字も、入力した文字も一文字ずつ読み上げるので、正確に入力することができます。 - 音声のカスタマイズ(速度、ピッチ、話者など)
ローターコントロール機能で詳細な設定も可能です。
使い方:
設定>アクセシビリティ>VoiceOver で設定を「有効」にします。タップする指の本数や、タップの回数などのジェスチャーごとにさまざまな機能を使うことができます。
ジェスチャーのカスタマイズ
ご自身の症状や好みに合わせてジェスチャーをカスタマイズできるため、Webサイトの操作がより容易になります。また、頻繁に使用する操作に対して独自のジェスチャーを設定することで、デバイス使用時における速度と効率が向上します。
主な特徴:
- カスタムアクション
シングルタップやダブルタップでのアクションの設定ができます。 - カスタムジェスチャ
独自のジェスチャーを登録できます。
使い方:
「設定」 >「アクセシビリティ」>「タッチ」>「AssistiveTouch」
音声アシスタントの活用
主な特徴:
- テキストメッセージの送信
- 電話をかける
- リマインダーの設定
- インターネット検索 など
使い方:
「Hey Siri」と呼びかけるか、サイドボタン(もしくはホームボタン)を長押しして起動します。
画面拡大機能
画面全体または一部を拡大表示する機能です。
主な特徴:
- 最大15倍まで拡大可能
- ウィンドウズームモードで画面の一部のみを拡大することも可能
使い方:
設定>アクセシビリティ>ズーム から有効にできます。
拡大レンズ機能
拡大レンズ機能でカメラを使って周囲のものを拡大する機能です。
主な特徴:
- 拡大したものをそのまま撮影可能
- 「リーダー」機能で撮影したものの中にある文字の読み上げも可能
使い方:
「拡大鏡」アプリを起動
ディスプレイ設定のカスタマイズ
主な特徴:
- 文字サイズと太字の変更
- 色の反転とカラーフィルタの変更
使い方:
設定>アクセシビリティ>画面表示とテキストサイズ から設定できます。
iPhoneをお持ちの方は、ぜひ試してみてください。

Androidのロービジョン向けアクセシビリティ機能
読み上げ機能
主な特徴:
- 画面上のテキスト、アイコン、ボタンなどの読み上げ
● バッテリーの残量や、電話をかけてきた相手、指先が触れているアプリについてなど声で説明してくれます。
● 指で触れているキーボードの文字も、入力した文字も一文字ずつ読み上げるので、正確に入力できます。 - 音声のカスタマイズ(速度、ピッチなど)
使い方:
設定>ユーザー補助>TalkBack で「TalkBackの使用」を有効にします。タップする指の本数や、タップの回数などのジェスチャーごとにさまざまな機能を使うことができます。
ジェスチャーのカスタマイズ
ご自身の症状や好みに合わせてジェスチャーをカスタマイズできるため、Webサイトの操作がより容易になります。また、頻繁に使用する操作に対してカスタムジェスチャーを設定することで、デバイス使用時における速度と効率が向上します。
主な特徴:
- 1~4本の指でのスワイプ操作が数多く登録可能
使い方:
設定>ユーザー補助>TalkBack>設定>ジェスチャーをカスタマイズ
音声アシスタントの活用
主な特徴:
- テキストメッセージの送信
- 電話をかける
- リマインダーの設定
- インターネット検索 など
使い方:
「OK Google」と呼びかけるか、ホームボタンを長押しして起動します。
画面拡大機能
画面全体または一部を拡大表示する機能です。
主な特徴:
- 2本の指でのピンチ操作で簡単にズーム調整
- 一時的な拡大と永続的な拡大モードの選択が可能
使い方:
設定>ユーザー補助>拡大 からショートカットを有効にしたり、拡大の種類を選択したりできます。
ディスプレイ設定のカスタマイズ
- 文字サイズと太さが選択可能
- 色の反転とカラーフィルタの選択
使い方:
設定>ユーザー補助>「テキストと表示」から設定できます。
ルックアウト
Googleが開発した、視覚障害者向けのアプリです。カメラを使って周囲の状況を認識し、音声で説明します。
主な機能:
- テキストの読み上げ
- 物体の認識
- 通貨の識別
- 食品ラベルの読み取り
使い方:
Google Playストアからダウンロードして利用
スマートフォンにはこのように便利な機能が搭載されているほか、必要に応じてアプリの追加もできます。
アクセシビリティの機能を活用して、快適な生活を送りたいものですね。
- 情報通信アクセス協議会
https://www.ciaj.or.jp/access/accessibility/index.html[2024年12月26日アクセス]
参考資料
- Apple.Inc.:iPhone 視覚のアクセシビリティ
https://www.apple.com/jp/accessibility/vision/[2024年12月26日アクセス] - Google Inc.:Androidユーザー補助機能の概要
https://support.google.com/accessibility/android/answer/6006564?hl=ja [2024年12月26日アクセス] - デジタル庁: ウェブアクセシビリティ導入ガイドブック
https://www.digital.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/08ed88e1-d622-43cb-900b-84957ab87826/53f76eaa/20240329_introduction_to_weba11y.pdf[2024年12月26日アクセス]
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