提供:ノバルティス ファーマ株式会社
同行援護の事業所を運営する鈴木貴達さんは、利用者とガイドヘルパーのマッチングを大切にしています。それは、お互いにとっていい時間にしてほしいから。その思いと今後の課題についてうかがいました。
利用者200人、ガイドヘルパー150人にまで拡大
otomoではガイドヘルパーに、利用者との待ち合わせ場所に行く交通費とガイドの時給を支払います。移動の間のガイドヘルパーの交通費は利用者の負担。利用者は障害者手帳を持っているので、自身の交通費は割引になります。「同行援護事業は、多くの方にご利用いただいてはじめて成り立つ事業なので、継続するためにはたくさんの方に利用していただくことが必要なんです」。
利用者の口コミのおかげで、利用者・ガイドヘルパーともに増え続けているotomo。現在、利用者登録が約200人、ガイドヘルパーが約150人だそうです。「ガイドさんには高校生の方もいます。学生さんは土日だけとか、主婦の方は日中だけとか、仕事の合間になど、皆さんそれぞれの予定に合わせてガイドの仕事をしてくださっています」。
この仕事で「つらいことはない」という鈴木さん。大変なのは人材確保だそうで、これからも、利用者を増やすと同時にガイドヘルパーももっと増やしたいと考えています。
今までできなかったことができるように
ガイドヘルパーの育成もしているotomoでは、ガイドの仕事として「適切な情報提供」を大切にしています。「同行援護は介護ではないので、『やりすぎない』ことが大事なんです。利用者さんの荷物を持ったり、座るときに手を添えたりということは、基本的にしません。また、『運動不足だから階段で行きましょう』というアドバイスもしないように言っています。判断するのは利用者さんですから」。
仕事のやりがいは、やはり利用者さんからの喜びの声です。「私自身ガイドをしたとき、利用者さんから『5年ぶりにカフェに入った』とうれしそうに言われました。あるおばあちゃんは、同行援護で地元の浅草の三社祭に行って、とても楽しんでいらしたそうです。何十年ぶりに飛行機に乗ったという方や、AKB48の握手会に行けたという方など、利用者さんの声は励みになります」。
同行援護というサービスを知らず、障害者手帳も取得していない方はまだまだたくさんいます。そんな潜在需要にアクセスするのが、今後の目標です。
互いの相性を大切にしたマッチング
otomoの特長は、利用者とガイドヘルパーのマッチングを丁寧にしていること。お互いの相性を大事にして、心地よく長く続けられるサービスを目指しています、「利用者さんの属性とガイドヘルパーの属性をデータベースに入れて、サービス提供の予定を組んでいます。時間と場所だけで合わせるのではなく、両者にとってよりよい時間にしたいという思いです」。
福祉サービスでは、サービス提供者の高齢化が深刻な課題です。鈴木さんも、若いガイドヘルパーを増やしていくことを目指しています。「70歳を超えるガイドヘルパーが3割以上という事業所が多くなっています。今活躍されている方が引退されると、どっと人数が減ってしまいます。同行援護の利用者さんは若い方も多いので、対応できるようにしていきたいです」。
利用者が望むときに望むサービスを提供したい。そのために、otomoはこれからも前に進んでいきます。
当記事は、取材時(2020年6月)の情報をもとに作成・公開されたものです。
再掲にあたり一部株式会社QLifeにて再編集しております。
取材協力
視覚障害者のための同行援護サービスotomo
http://otomo.care/
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